事例

エピソード1・・・8年後の電話(東京都)

事例1
Nさんは、購入したマンションで発症しました。以前から自分は化学物質に敏感だと感じていたので、マンションを購入する時に、気を使ったそうです。ところが不動産屋さんの営業マンが、「大丈夫です。シックハウスには気を使っているので」と言われて安心して購入。そして発症されました。
1年弱ぐらいの間苦しまれて、私がお会いした時は別のところに住まわれていました。ご主人はマンションで暮らされていての別居状態。ずいぶん不便な生活をされており、とにかく一緒に住みたいとのことだったので、改修をすることになりました。建材も一つずつ合うか合わないかの検査をしました。
造作をするのに一番、使いやすい杉材に反応されたのですが、予算上、杉を使用せざるを得なく、杉のニオイを止める塗料を塗りました。塗料も結構な量を使用してましたので完成した時は、塗料の臭いがしており、それに少し反応されていましたが、時間が経つにつれ慣れていかれたそうです。
化学物質を含んだ建材を除去できるだけして、Nさんに合った建材で内装を作っていく。下地や造作家具、建具についても、合板を使わずに仕上げました。
改修して8年後。
Nさんから電話がかかってきました。「相談があるのですが、事務所に行っていいですか?」。
私は耳を疑いました。8年前、外食も行けるところは1軒ぐらい。洋服の染料に反応されていて、着られる洋服も2~3着。バスも電車も乗れず、自家用車での外出しかできない。そんなNさんが、電車に乗って会いに来たいというのです。びっくり仰天です。
「えっ。大丈夫なんですか?」と聞き返しました。そしたら「大丈夫なのよ~」とのお返事。事務所とお家の中間地点のカフェでお会いしました。8年かかりましたが、とてもお元気になって、普通の生活がおくれるようになってきたとのこと。驚きです。ただ、お話を聞くと室内空気だけの問題だけではなく、食べ物も、着る物も気を使い、そして歯の治療でアマルガムを全て除去しセラミックにされたのが良かったとか。
身の回り全てに気を使われての回復。お会いして言われたことは、「あの時、全部改修してもらえばよかった」でした。予算の都合もあって、4LDKの間取り。3部屋残しての改修でした。ご自分のお部屋1部屋とダイニング、リビング、キッチン、洗面脱衣所、トイレ、廊下と普段、長く使われるスペースだけの改修でしたが、Nさんには効果がでたようです。この再会は、私にとっても何よりの歓びとなりました。